優勝記念写真に写った亡き級友
どんな伝承か
昭和五十二年の秋、五戸中学校の文化祭で、呼び物のクラス対抗合唱コンクールが開かれた。三年五組では、校内でも一、二を争う体格で柔道部の大将、無類の好人物だった高橋謙一が、夏に突然の病で亡くなっていた。入院中は文化祭までに学校へ帰りたいと便りを寄せていたが、ついに門をくぐることができなかった。高橋君のためにも頑張ろうが合言葉となり、クラスは友情と団結を強めて見事に優勝した。賞状と優勝カップを囲んで四十名が記念写真を撮ると、後列で一番仲の良かった級友の肩越しに、高橋君の顔が斜め前方を見るように写っていた。墓前には今も花と香が絶えないという。
原典より
昭和五十二年十月、S教諭撮影。—— お化けと幽霊(大高興・1978年(昭和53年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
お化けと幽霊(大高興・1978年(昭和53年))
『お化けと幽霊』は、大高興が昭和五十三年に青森市の北の街社から出した、お化けと幽霊と心霊現象の解説書である。仮死からの蘇生や霊魂論に始まり、青森県内を中心とする心霊写真の実例、こっくりさんなどの霊界通信法、著者や知人が語る幽霊の体験談、江戸時代の『北越奇談』を著者が現代文に訳した天狗や鎌鼬の話を収める。問答の形でお化けを語る節、幽霊の存否論・分類・人相学、心理学者による心霊現象の否定を経て、巻末に心霊用語の解説を付す。