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烏帽子岳の山上に響く神楽

所在地鹿児島県鹿児島市平川町(烏帽子嶽)
年代明治
登場乾善行、横山賢二郎、体験者、伝承者、体験者(鉱山家)、同じ音を聞いた父(照国神社宮司)
出典幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵

どんな伝承か

鹿児島の鉱山家乾善行は、明治三十年、十七歳のとき、鹿児島の南にある霊山烏帽子岳の山頂の神社に七日間こもった。昼間は人のいない山上で拝殿に座り心を澄ませていると、毎日午前と午後に一度ずつ、社を覆う老木の梢の上あたりから、笙や篳篥、笛に金物を打つ音を交えた神楽の合奏がはっきり聞こえ、合間には数人の楽しげな笑い声もした。後年、照国神社の宮司だった父と参ったときも、父子そろって同じ音楽を聞いた。無心で聞けば近く、耳を凝らすと遠ざかったという。遠州の山で聞いたという同様の話も添えられている。

原典より

音楽なるものは、謂ゆる神楽で、笙、篳篥、笛、何か金屬製の器物を打つ音が、節調面白く合奏されて、明瞭に聞こえるのだ。—— 幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵(岡田蒼溟・幽冥界研究・怪談) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵(岡田蒼溟・幽冥界研究・怪談)

『幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵』は、岡田蒼溟による霊怪の事例集である。祟る石、出雲の瀧姫行者、神西湖の妖怪、但馬の抜け首、黄金の精、海の牛鬼、天狗などの怪異を、著者自身の見聞や知人の談話、古い文書からの移載によって集め、明治・大正期の出雲や松江周辺の事例を多く含む。項目によっては【解題】や註を添え、事例の後に「第二編」と附録の「天狗考」を続け、巻末の「解説の欄」で生霊・疫神・物体の飛来などを心霊研究の立場から論じる。

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