小ヶ谷戸の蔵の光の正体
どんな伝承か
宮寺の小ヶ谷戸の蔵に幽霊が出るという騒ぎの真相を、坂之下出身の男性が語る。秋の夜九時か十時ごろ、ある家で蚕に桑をやるため電灯をともすと、その明かりがどこかに当たって跳ね返り、さらに別の所でも反射して、蔵の壁に模様のように映っていた。人々はそれを化け物だと騒ぎ、ついには警察沙汰になった。調べてみると、電気をつければ光が蔵に映り、消せば消えることが分かった。反射が一か所なら簡単に見抜けたが、二、三か所を経ていたため、なかなか原因がつかめなかったという。
原典より
秋、夜の九時か一〇時ころに、ある家で御蚕様に桑を上げるために電気をつけると、それがどこかに反射して、それからまた別のところに反射して、その光が蔵に模様のように映った。—— 所沢市史 民俗編(所沢市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
所沢市史 民俗編(所沢市史)
『所沢市史 民俗編』は、所沢市の市史の民俗編から、第一二章「口頭伝承」の一部を収めたものである。ヘビや天狗・カッパ・雷獣の話に続けて、世間話の「不思議な話」としてカラス鳴き・人魂・死の予兆・夢・木の祟り・生き霊・幽霊騒ぎ・タクシーの幽霊などを、市内の話者からの聞き書きで記す。話ごとに題を立てて同じ題の話を番号で並べ、話者の性別などを添え、ホラ吹きやオトウカドンの話も続ける。