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絶食の果てに落ちかけた真っ黒な穴

所在地埼玉県川口市
年代現代
登場古口樹美、体験者(演歌歌手)
出典証言・臨死体験

どんな伝承か

演歌歌手の古口樹美は、体重九十五キロの体を細くしようと、水とレモンと小さなヨーグルトだけで縄跳びと走り込みを続け、一ヵ月半ほどで三十五キロまで痩せた。やがて食べ物の匂いだけで吐き気を催す拒食症に陥り、近所の人から亡くなった娘と同じ状態だと言われるほど衰えた。一九九四年十月のある夜、強い不安から母に電話した直後、眠りに落ちると、雲の上に浮かぶような心地よさを感じた。このまま死んでもいいと思った途端、真っ黒な穴に突き落とされ、黒いもやもやしたものに足を引かれながら、へりの花の方へ這い上がろうともがいたという。母の呼ぶ声で目覚めた彼女は、これを痩せすぎへの警告と受け止めている。

原典より

そう思ったとたんに、真っ黒の大きな穴の中に突き落とされて、私はそのへりのところに、必死でしがみついていました。—— 証言・臨死体験(立花隆・臨死体験・ノンフィクション・1996年(平成8年)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

証言・臨死体験(立花隆・臨死体験・ノンフィクション・1996年(平成8年))

『証言・臨死体験』は、立花隆が文藝春秋の雑誌『クレア』に連載し、一九九六年に単行本として刊行した臨死体験の証言集である。俳優の安田伸、作家の水上勉、彗星探索家の木内鶴彦、プロレスラーの大仁田厚、映画監督の羽仁進など、病気や事故で死の淵に臨んだ二十三人の体験を、本人や家族からの聞き取りで記録する。各章は人物の略歴と前置きに続けて問答形式の談話を載せ、本人の著書や手記からの引用も交える。

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