天理教に五千円を捧げた世田谷の一家
どんな伝承か
世田谷の倉橋佐代が寄せた報告である。子の持病をどうにか治したい一心で天理教にすがり、五年のあいだに五千円を超える金品を教会へ運び続けた。献金すれば治るという教会の言葉に望みをかけたが、子は病を得たまま亡くなる。教師は死ねば神になったのだと言ってのけただけだった。家財は底を突き、家庭は立ち行かなくなり、夫までもが心を病んで死んだという。物質的損害を受けた例を集めた章に、穴守稲荷の神託を騙る詐欺などと並べて収められている。
原典より
* 祭壇の前に危かつた貞操* 裸にされた部落(天×教)* 恨みの宝生箱(ひ××みち)* 普請小屋を毀つた老婆* 狂信から事業不振と病死七、一家没落を来たしたもの* 悪夢に憑かれた人達(天×教)* 一家が離散する迄(天×教…—— 邪教に迷はされた人々(好村春基・浅野研真ほか編・新興宗教・邪教批判) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
邪教に迷はされた人々(好村春基・浅野研真ほか編・新興宗教・邪教批判)
『邪教に迷はされた人々』は、邪教撃滅聯盟の発意により浅野研真・島影盟・広木勇郎・好村春基が協同で編んだ本である。天理教・ひとのみち・生長の家・大本教などに迷って、病人が医者から遠ざけられて死んだ話、精神を病んだ話、行者に辱められた話、家や財産を失った話を、遺族や民生委員の手記、『大法輪』『婦人公論』昭和十一年の記事などから集め、八類に分けて並べる。後半に島影盟の邪教弾圧史と田所通世の取締法規の解説を付ける。