タマシのうち抜け――死の知らせ
どんな伝承か
久喜市本町の話者が語る、死の知らせの話である。自分が見たのではないが、自分たちと友だちだった人の親のことだという。その人が提灯を持って、スクスク、スクスクと自分の実家の方へ歩いて行くのだそうだ。ところが途中で提灯の灯りが消えてしまう。実家まで行き着かないうちに消えるのだという。そうすると、やはり死んだという知らせが来たのだから、あれはタマシがうち抜けて行ったのだなあ、と話者は語っている。
原典より
そうすと途中で提灯の灯りが消えちゃうんだって。—— 久喜市史 民俗編――伝説・世間話(久喜市(編)・久喜市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
久喜市史 民俗編――伝説・世間話(久喜市(編)・久喜市史)
『久喜市史 民俗編――伝説・世間話』は、久喜市の市史の民俗編から、伝説と世間話を中心とする節を収めたものである。御陣山公園の龍や大蛇、吉羽の天神様の池のヌシといった伝説と、狐やムジナに化かされた話、天狗や河童、人魂の話、明治四十三年と昭和二十二年の大水の話などを、話者の地区と頭文字を添えて載せる。世間話は動物・妖怪・化物、社寺・小祠等、事件・事象、その他に分け、続く民俗知識等では俗信を、土地の話では久喜という地名の由来の説を記す。