狐に化かされ提灯の火を見る・道に迷う
どんな伝承か
狐に化かされる話はよく耳にした。酒を飲むと化かされるといい、ありもしない提灯の火が見えたり、夜中にただの道を川と思い込んで「おお深い」と言いながら着物の裾をからげて歩く人がいたりしたという。別の語り手は子どもの頃、酒好きの人が親戚でご馳走になった帰り、田んぼ道を一晩中ふらふらとさまよい、長靴を泥だらけにして戻ってきたという話を聞いた。その人はゆうべはオトーカに化かされたとこぼしながら、また酒を飲んでいたそうだ。
原典より
一晩中その田んぼをフラフラ、フラフラ歩いちゃうんですって。—— 久喜市史 民俗編――伝説・世間話(久喜市(編)・久喜市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
久喜市史 民俗編――伝説・世間話(久喜市(編)・久喜市史)
『久喜市史 民俗編――伝説・世間話』は、久喜市の市史の民俗編から、伝説と世間話を中心とする節を収めたものである。御陣山公園の龍や大蛇、吉羽の天神様の池のヌシといった伝説と、狐やムジナに化かされた話、天狗や河童、人魂の話、明治四十三年と昭和二十二年の大水の話などを、話者の地区と頭文字を添えて載せる。世間話は動物・妖怪・化物、社寺・小祠等、事件・事象、その他に分け、続く民俗知識等では俗信を、土地の話では久喜という地名の由来の説を記す。