なべ石――神功皇后
どんな伝承か
かつて、天の川の上流にあたる磐船川をさかのぼり、田原盆地へ上りきった奈良県と大阪府の境の道の上に、黒い大きな石が顔を出していた。神功皇后が三韓へ向かう途中、ここで煮炊きを始めたが、鶏の鳴き声を聞いて夜が明けたと思った一行は、石の上に鍋を置いたまま慌ただしく出発してしまった。それからこの石を「なべ石」と呼ぶようになったという。いまは川の改修工事が行われて、なべ石の姿も見られなくなっている。
原典より
ところが、鶏の啼声を聞き、もう朝だとお感じになった一行は、大石の上に「なべ」を置いたまま出発されたので、以来なべ石というようになった。—— 交野市史 民俗編――伝説(交野市(編)・交野市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
交野市史 民俗編――伝説(交野市(編)・交野市史)
『交野市史 民俗編――伝説』は、交野市が編んだ市史の民俗編から伝説の章を収めたものである。交野の各地に伝わる池・古墳・寺社・地名にまつわる伝えを集め、産所とよな池、弘法大師の蚊封じの池、獅子窟寺の再建の由来、小松寺の起こりなどを、所在地や文献の記述を添えて記す。郡津・倉治・私部・森・寺・傍示・私市・星田の八地区を節に立て、地区ごとに話を並べる。