白駒の池(その一)
どんな伝承か
昔、ある長者の娘が家の作男と恋仲になった。それを知った長者は怒り、とうとう作男を山へ追い払ってしまう。悲しんだ娘は作男を捜して山に入ったが、深い霧に巻かれて道を失った。そこへ一頭の白馬が現れ、後をついて行くと池のほとりに出た。白馬は、捜している人はこの池の奥にいる、会いたければ背に乗るようにと告げた。娘がまたがると馬はそのまま池に沈み、娘も馬も二度と姿を見せなかった。この白馬にちなんで、池は白駒の池と呼ばれるようになったという。
原典より
娘が白馬にまたがると、そのまま池の中に沈んでしまい、娘も馬もそれっきり姿をあらわさなかった。—— 南佐久郡誌 民俗編――伝説・世間話(南佐久郡(編)・南佐久郡誌) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
南佐久郡誌 民俗編――伝説・世間話(南佐久郡(編)・南佐久郡誌)
『南佐久郡誌 民俗編――伝説・世間話』は、長野県南佐久郡の郡誌民俗編から、第十三章「伝説と歌謡」の昔話・伝説・世間話の部分を収めたものである。郡内に伝わる鳥呑み爺や古屋のもりなど十一話の昔話、離山・白駒の池・おかんばあさんなどの伝説、光り物・あずきとぎ・天狗・かっぱ・狐火・家つき童子などの世間話を集める。伝説の後半には藤沢衛彦編『日本伝説叢書・信濃の巻』から佐久に関わる話を原文のまま引き、世間話は話題ごとに体験談を並べる。