松原の湖水と七不思議
どんな伝承か
旧松原村には大湖と尾長湖の二つの湖があり、その東北に上下二社の諏訪明神が鎮まる。別当は藤島山真光寺で、境内の三重塔は源頼朝の建立と伝える。この社の第一の不思議は、毎年七月二十七日の御射山祭の正午に、北西の空に星が現れることで、人々はこれを拝むという。諏訪と同じく御渡りもあり、御渡り・浮石・小王石・屏風岩・弁財天島・鳳尾松・もの葉の薄を七不思議と称える。また社頭の鐘は、甲州勢が佐久へ攻め入った際に落合の慈寿寺から奪い、真光寺で捨て置いたものだという。
原典より
末社末社まで御柱立、第一のふしぎは、七月廿七日御射山祭午刻に、戌亥の方に星が出現することであるといはれる。—— 南佐久郡誌 民俗編――伝説・世間話(南佐久郡(編)・南佐久郡誌) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
南佐久郡誌 民俗編――伝説・世間話(南佐久郡(編)・南佐久郡誌)
『南佐久郡誌 民俗編――伝説・世間話』は、長野県南佐久郡の郡誌民俗編から、第十三章「伝説と歌謡」の昔話・伝説・世間話の部分を収めたものである。郡内に伝わる鳥呑み爺や古屋のもりなど十一話の昔話、離山・白駒の池・おかんばあさんなどの伝説、光り物・あずきとぎ・天狗・かっぱ・狐火・家つき童子などの世間話を集める。伝説の後半には藤沢衛彦編『日本伝説叢書・信濃の巻』から佐久に関わる話を原文のまま引き、世間話は話題ごとに体験談を並べる。