万年寺のお堂の扉
どんな伝承か
羽田兵三郎さんの祖父が亡くなったのは、昭和九年九月三日のことだった。その時、亡くなった祖父の声で「奥さん、今帰ったよ」と言うのが聞こえ、万年寺の本堂の戸がガラガラと開く音がしたという。兵三郎さんは、そういうことがあったと家の祖父の話として聞いていると語っている。
原典より
そのおじいさんが「奥さん、今帰ったよ」と言って、本堂の戸がガラガラとあく音がしてね—— 向原の民俗 下――昔話(民俗調査報告 第9号・第10号・民俗調査報告) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
向原の民俗 下――昔話(民俗調査報告 第9号・第10号・民俗調査報告)
『向原の民俗 下――昔話』は、民俗調査の報告書『向原の民俗』下巻のうち、「口承文芸」の章を収めたものである。向原の下組の調査と上組の補足調査で採った昔話、世間話、伝説、畑作の諺を、話者の名と生年を添えて土地の言葉のまま記し、狐火や狐に化かされた話、万年寺や新田様の言い伝えも含む。概観に続いて昔話・世間話・伝説・諺の節を立て、昔話には『日本昔話大成』の話型を対照させた一覧表を付す。