ホトトギスのうた(兄弟)
どんな伝承か
昔、昼は田畑を耕し、夜は俵やむしろを編んで働く仲のよい兄弟がいた。春、近くの林へ山芋を掘りに出かけ、ひときわ大きな芋を見つけて、人が入れるほど深く掘り下げた。穴の中の弟に頼まれて兄が先のとがった鉄の棒を渡そうとしたとき、棒が弟の頭に落ちて突き刺さり、弟は息を引き取った。悲嘆に暮れた兄も、自ら後を追って命を絶った。まもなくその林で、弟恋しや、誤って突っ切った、と聞こえる見慣れない鳥の声がするようになり、二人が鳥になって来たのだと言われた。毎年春にその林で鳴く鳥がホトトギスだという。
原典より
山芋掘りでいのちを落したあの二人が、鳥になってここへ来たのだろうと言われました。—— 桶川市史 第6巻(民俗編)――伝説・昔話(桶川市(編)・桶川市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
桶川市史 第6巻(民俗編)――伝説・昔話(桶川市(編)・桶川市史)
『桶川市史 第6巻(民俗編)――伝説・昔話』は、桶川市の市史のうち民俗を扱う巻で、ここにはその昔話・伝説の部分と第四節「予兆・占い・禁忌・呪い・民間療法」が収められている。昔話・伝説は調査ではほとんど聞かれなかったため、「広報おけがわ」に連載した話を中心に、イットコショダンゴ、古池の大蛇、熊野神社の池の膳椀貸し、狐狸に化かされる話など二十余りを区分せずに載せる。俗信の節は、言い伝えを桶川・加納・川田谷の地区ごとに箇条で並べる。