滝の宮のいわれ(薬師の霊水)
どんな伝承か
昔、川田谷に薬師如来があり、そばに大イチョウと、清水が湧いてできた大池があった。村人はこれを薬師様のご霊水と呼び、傍らに湯場が設けられて一時は大いににぎわった。そこに住む老人が、この水を湯場だけでなく村のために役立てたいと何年も考え、水車を仕掛けてみたが失敗し、以後この水を使おうとする者はいなかった。水が滝のように流れ落ちていたので、その地は滝の宮と呼ばれるようになった。薬師はのちに川田谷の中央の地蔵堂へ移され、目の病を治す仏として信仰された。池は埋められたが滝の宮商店街の名に残り、入り口の馬頭観音のそばには今も小さな清水が流れているという。
原典より
そして、そこでは滝のように流れているので、滝の宮と呼ばれるようになったのです。—— 桶川市史 第6巻(民俗編)――伝説・昔話(桶川市(編)・桶川市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
桶川市史 第6巻(民俗編)――伝説・昔話(桶川市(編)・桶川市史)
『桶川市史 第6巻(民俗編)――伝説・昔話』は、桶川市の市史のうち民俗を扱う巻で、ここにはその昔話・伝説の部分と第四節「予兆・占い・禁忌・呪い・民間療法」が収められている。昔話・伝説は調査ではほとんど聞かれなかったため、「広報おけがわ」に連載した話を中心に、イットコショダンゴ、古池の大蛇、熊野神社の池の膳椀貸し、狐狸に化かされる話など二十余りを区分せずに載せる。俗信の節は、言い伝えを桶川・加納・川田谷の地区ごとに箇条で並べる。