久保の武者谷
どんな伝承か
久保村の持ち山に武者谷と呼ばれる飛び地があり、吹上と金間の持ち山に挟まれた場所にある。昔、金間に金間右エ門という並ぶ者のない力持ちの武者がいた。娘を久保村へ嫁がせるとき、引き出物としてこの山を村中に贈ったので、武者から貰った山という意味で武者谷と呼ぶようになったという。この谷の斜面は冬に雪崩が落ちる禿山だが、それは婿が力のない優男で、冬の薪を頼まれた金間右エ門が山の木を残らず引き抜いて落としてやったため、それ以来木が生えないのだと伝わる。
原典より
武者谷の平は頂上の下方から急斜面になっており、冬には雪崩の落ちる処であり、余り木が無く禿山であるが、それは娘の婿がやさ男で力が無く、冬の薪を頼んだら金間右エ門が、山の木を全部引き抜いて下に落し、…—— 河内村史 下巻(民俗編)――白山麓の伝説(河内村(編)・河内村史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
河内村史 下巻(民俗編)――白山麓の伝説(河内村(編)・河内村史)
『河内村史 下巻(民俗編)――白山麓の伝説』は、白山麓の河内村の村史の民俗編から、民話・伝説と故事を記した節を収めたものである。白山の千蛇ヶ池や富士山との背くらべ、高ボウケの大蛇、猿仏の名号、おひなの荒、天狗、菊酒、池の金山の伝説など、村と周辺に伝わる話を、白山関係の古文書や郡誌を引きながら記す。第三節「民話 伝説」、第四節「故事 伝説」、第五節「伝説」に分け、話ごとに題を立てて由来や現地のようすを添えている。