聖霊が蝶になるかくれキリシタン伝承
どんな伝承か
長崎県西彼杵半島の黒崎地方の「かくれキリシタン」が伝える『天地始之事』は、天地と人間の創造から説きあかし、主キリストとマリアの苦難を物語る。しかし数百年にわたる閉鎖した伝承のためにふしぎな曲折と展開をみせ、マリアの処女受胎の場面では、聖霊が蝶になってマリアの口の中に飛びこみ、マリアは身ごもることになっている。蝶の形をとった霊魂が口から肉体に出入りすると考えられたことを示す例だという。
原典より
ところが数百年にわたっての閉鎖した伝承のために、ふしぎな曲折と展開をみせ、マリアの処女受胎の場面にしても、聖霊が蝶になって、マリアの口の中に飛びこみ、マリアは身ごもることになっている。—— 霊魂の博物誌――原始生命観の体系(碓井益雄・碓井益雄・民俗学・1982年(昭和57年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊魂の博物誌――原始生命観の体系(碓井益雄・碓井益雄・民俗学・1982年(昭和57年))
『霊魂の博物誌――原始生命観の体系』は、動物発生学を専攻した碓井益雄が著し、昭和五十七年に河出書房新社から刊行した書である。原始・古代の人々が霊魂をどう考えたかを、日本と諸外国の神話・民俗・古典・言葉の資料から説き、気息や人魂、風や雲、鳥や昆虫、幽霊や影として現れる霊魂の姿と、内臓・心・感覚器官に宿るとされた霊の座を論じ、屎尿や屁、名前と言霊にも章や節を割く。序章と全九章からなり、各章末に参照文献の注を付す。