白木橋の鴛鴦伝説
どんな伝承か
沖村から春日村下之郷へ向かう灰取街道には、水場川に架かる白木橋という小さな木の橋があった。『尾張志』の伝えでは、昔ここを通りかかった伊勢津の城主藤堂侯が、水に浮かぶ鴛鴦を見つけ、橋の上から白木の弓で雄鳥を射止めた。小牧の宿でそれを料理させ酒の肴にした夜、夢に女が現れて夫を奪われた恨みを述べ、雌鳥に姿を変えて雄鳥の頭をくわえ飛び去った。翌年、同じ橋で射落とした鳥は、雄鳥の首を羽の下に抱いたまま死んだ雌鳥だった。藤堂侯は哀れに思い、寺を建てて白弓山鴛蔵寺と名付け、弓矢を納めたという。
原典より
その夜、夢の中に女が一人出てきて、夫を失った恨みをいった。—— 西春町史 民俗編2――霊と神・祈禱・怪異(西春町(編)・西春町史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
西春町史 民俗編2――霊と神・祈禱・怪異(西春町(編)・西春町史)
『西春町史 民俗編2――霊と神・祈禱・怪異』は、西春町の町史の民俗編である。九之坪・岡・沖村・石橋など町内の各ムラに残る御嶽山や塚、堂、小祠、石塔、家の神、祈禱師、祈願と参詣、霊威と祟り、狐や狸の怪異と憑きものを、聞き書きと『徇行記』や村絵図などの記録から記す。霊と神、祈願と参詣、霊威と怪異の三節に続けて、第十二章の伝説の節をムラごとの十八項に分けて並べ、最後の項の五条川の大蛇の目撃談で結ぶ。