五条川の大蛇(春日村落合仏音寺の釣り人)
どんな伝承か
大正六、七年ごろ、西春町の人が春日村大字落合の仏音寺あたりの五条川で釣りをしていた。釣り上げた魚を籠に入れ、生かしておこうと籠を川に沈めかけたとき、すぐそばに大蛇がいるのに気づいた。その人は慌てて道具を引き上げて逃げ帰ったが、まもなく床につき、そのまま亡くなったという。五条川には昔から大蛇が棲むと言われ、『西春日井郡誌』も、山之腰から新川落口までの間に太さ二尺五寸ほどの大蛇がいるという言い伝えと、目撃者の話を載せている。
原典より
その魚を籠の中に入れ、それを活かすために籠を水中に入れようとしたとき、近くに大蛇がいたので、あわてて漁具を引き揚げて逃げ帰った。—— 西春町史 民俗編2――霊と神・祈禱・怪異(西春町(編)・西春町史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
西春町史 民俗編2――霊と神・祈禱・怪異(西春町(編)・西春町史)
『西春町史 民俗編2――霊と神・祈禱・怪異』は、西春町の町史の民俗編である。九之坪・岡・沖村・石橋など町内の各ムラに残る御嶽山や塚、堂、小祠、石塔、家の神、祈禱師、祈願と参詣、霊威と祟り、狐や狸の怪異と憑きものを、聞き書きと『徇行記』や村絵図などの記録から記す。霊と神、祈願と参詣、霊威と怪異の三節に続けて、第十二章の伝説の節をムラごとの十八項に分けて並べ、最後の項の五条川の大蛇の目撃談で結ぶ。