吠木の桜で彫った版木三枚
どんな伝承か
三日月の日記は、黒丸の橋を渡って左手の吠木法住寺に詣でたと記す。山は高くないが霊地と聞けばひとえに尊く、寺は広くないが古跡と思えば殊勝である。後ろの山に本堂があり、本尊はみだりに開帳しないという。弘法大師の木像があり、自ら刻んだものと伝える。前には運慶作という二王が立つ。宝物には大師自画自賛の像、五鈷、宝剣、そして吠木の桜で彫った版木三枚が残っている。本堂の後ろでは吠木の桜が今もなお栄えていたと書き留めている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第6巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第6巻』は、富山・石川・福井の北陸三県の伝説を集めた伝説集成の一巻である。神々の国争い、弘法大師や義経の遍歴、片目の魚、猿神や化物の退治など、伝承地を示した話を掲げ、県別の類話と古記録の文献記事を添える。巻末に福田晃の解説「主人公にたどる伝承世界」と、県ごとに近世の地誌から市町村史・民話集までを並べた使用資料一覧を置く。