大師入定のとき吼えた桜
どんな伝承か
老の路種は、吼木山は真言宗で寺領もある御普請所の寺だと記す。飯田の里から一里ばかり西にある。吼木山と唱えるのは、寺のうちに朽木の桜があるからだという。由来を聞くと、上古、大師が高野に入定するとき、この桜が吼えたので吼木の桜と名づけ、傍らに寺を築いて吼木山と呼ぶようになったとのことである。今その桜は朽ち果て、傍らに若木が植えられている。寺僧は、この桜は朽木の種で、老木になるとまた一本生えると伝え聞いていると語った。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第6巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第6巻』は、富山・石川・福井の北陸三県の伝説を集めた伝説集成の一巻である。神々の国争い、弘法大師や義経の遍歴、片目の魚、猿神や化物の退治など、伝承地を示した話を掲げ、県別の類話と古記録の文献記事を添える。巻末に福田晃の解説「主人公にたどる伝承世界」と、県ごとに近世の地誌から市町村史・民話集までを並べた使用資料一覧を置く。