旅の僧が祈禱して良くした井戸の水
どんな伝承か
青山村の村長海老原氏の語るところによれば、天保十三年四月十八日、同村の勘助の妻が機を織っていると、二十四、五歳の僧が来て水を求めた。この家の井戸は水が悪くて飲めなかったので、隣から水をもらって与えると、僧は喜び、祈禱してその井戸の水を良くしていった。その水は病に効き目があり、母親の目も治ったという。評判が広まって多くの者が集まったため役所が禁じたが、それでも水を盗む者は絶えなかったと『利根川図志』は伝える。
原典より
この家の井戸の水が悪くて飲めないので、隣から水をもらって与えると、僧は喜び、祈禱して水を良くした。—— 我孫子市史 民俗・文化財篇(我孫子市・我孫子市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
我孫子市史 民俗・文化財篇(我孫子市・我孫子市史)
『我孫子市史 民俗・文化財篇』は、市史の口承文芸の部分の抜き書きで、伝説の諸節と世間話の章が収められている。新木の二股竹、将門の井戸、藤姫の入水、七ツ塚、頸天神などの伝説を木・水・塚・祠堂・城跡と屋敷に分けて掲げ、奇人譚や河童・狐・偽汽車などの怪異・霊異譚を世間話として載せる。多くの話の後に、柳田國男らの説を引きつつ御霊や水神の信仰との関わりを考える解説を付し、末尾に本稿のまとめを置く。