長者屋敷跡に残る磯原の鐘懸松
どんな伝承か
磯原の海辺、稲村の上に長者屋敷の跡があり、鏡石とともに長者の鐘掛松が残るという。松に鐘を掛けたと伝える木は各地にあり、千葉県市川町国府台は里見氏が陣鐘を掛けた松で、敗れたときその鐘を淵へ沈めたので鐘ヶ淵と呼ぶ。静岡県三島町は源頼朝が軍勢の駆け引きに用いた鐘、沼津市香貫山は弁慶の鐘、兵庫県赤穂郡坂越村は赤松氏の残党が軍鐘を掛けた松と、由来はそれぞれ異なる。三重県下御糸村では枯れ色になった松が翌夜もとに戻った話から枯かけの松と呼び、それが金掛松に訛ったと伝える。
原典より
磯原の海邊稻村の上に、長者屋敷の址があり、鏡石また長者の鐘掛松がある。—— 日本伝説名彙(柳田国男・日本放送協会・昭和25年刊) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙(柳田国男・日本放送協会・昭和25年刊)
柳田国男・日本放送協会編『日本伝説名彙』を全650話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。