黄金の報いで蛇となった中野長者の娘
どんな伝承か
応永のころ、紀州の鈴木九郎が没落して中野の地へ移り、馬喰を営んだ。葛西の市で馬を売って得た一貫文を道中で開くと、すべて駒引の鏡に変わっていたという。これを浅草の観音へ納めて帰ると、家の中は黄金で満ちていた。金銀の始末に困った長者は、下男に運ばせて人目のない野へ埋め、その下男を橋の下で殺した。この橋を姿見ずの橋、すなわち淀橋と呼ぶ。報いで娘は蛇の身となり、その居間は池に変わった。十二社権現の蛇ヶ池がそれだと伝える。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙(柳田国男・日本放送協会・昭和25年刊)
柳田国男・日本放送協会編『日本伝説名彙』を全650話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。