鍵をかけた事務所から移動したサイン本
どんな伝承か
清田は物品出現や瞬間移動をやってのけた。ある日、私が新刊単行本にサインして彼に贈ったが、彼はそれを鍵をかけた三階の事務所の机に置き忘れた。私が一足遅れてビル一階の喫茶店へ行くと、十五分ほど雑談するうち、目の前に座る彼のシャツの胸元が突然ふくらみ、『本が来ちゃった』と、忘れたはずのサイン本を取り出した。発売前で直筆サイン入り、世界に一冊しかない本が、三階から一階の彼のシャツの中へ瞬間移動したのだという。
原典より
「どうした?」と訊ねると、彼は「いけない。先生の部屋にサイン本を忘れた! と思ったら、本が来ちゃった」とシャツの中から、そのサイン本を取り出したのです。—— 漂う霊があなたのまわりにいる(つのだじろう) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
漂う霊があなたのまわりにいる(つのだじろう)
『漂う霊があなたのまわりにいる』は、『うしろの百太郎』などのオカルト作品を描いたつのだじろうが、心霊現象を一般向けに解説した本である。自宅の火事など著者自身の不思議体験に始まり、守護霊・生霊・幽体離脱・念力・憑依霊・ポルターガイスト・除霊・交霊・輪廻転生などを、体験談と内外の事例を交えて説く。十二のLECTUREの間に「CLOSE UP」とコラムを挟んで恐山や狗神伝説、霊感の訓練法にも触れ、エピローグで霊との付き合い方を述べる。