影が映ると引き入れる沼
どんな伝承か
平鹿郡に影取沼と呼ばれる沼がある。そばを通る人の影が水面に映ると、そのまま水中へ引き入れられてしまうと言い伝えられ、人々は近寄ることを避けてきた。『旅と伝説』一〇に載る一条で、同じ言い伝えは角館に近い豊岡村のお玉ヶ池にもあると記されている。影を実体の分身とみなし、水に映ることを危険とする観念が背景にある禁忌譚である。
原典より
影取沼といふのがあつて、通る人の影が水に映ると引入れられるといふ。—— 日本伝説名彙(柳田国男・日本放送協会・昭和25年刊) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙(柳田国男・日本放送協会・昭和25年刊)
柳田国男・日本放送協会編『日本伝説名彙』を全650話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。