夜ごと絵から抜け出す応挙の幽霊画
どんな伝承か
富山県八尾の聞名寺には、江戸時代の名高い画家円山応挙の手になるという幽霊の掛け軸がある。幽霊を描くことになった応挙は、見たこともない幽霊の姿が文献を調べても思い描けず、思い悩んでいた。その様子をそばで見ていた妻は、自分が幽霊になって夫の手本になろうと、白装束に身を包んで自ら命を絶った。その夜、妻は幽霊の姿で応挙の前に現れ、応挙は泣きながら妻を描いた。絵ができあがると妻はほほえんで消えたという。この掛け軸は八尾の豪商が持っていたが、毎晩絵から幽霊が抜け出して歩き回るので、気味悪がって聞名寺に納めたと伝わる。
原典より
この掛け軸は八尾の豪商が所有していましたが、夜ごと掛け軸から幽霊が抜け出し、歩き回るので、気味が悪くなり、聞名寺におさめたのだそうです。—— 漂う霊があなたのまわりにいる(つのだじろう) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
漂う霊があなたのまわりにいる(つのだじろう)
『漂う霊があなたのまわりにいる』は、『うしろの百太郎』などのオカルト作品を描いたつのだじろうが、心霊現象を一般向けに解説した本である。自宅の火事など著者自身の不思議体験に始まり、守護霊・生霊・幽体離脱・念力・憑依霊・ポルターガイスト・除霊・交霊・輪廻転生などを、体験談と内外の事例を交えて説く。十二のLECTUREの間に「CLOSE UP」とコラムを挟んで恐山や狗神伝説、霊感の訓練法にも触れ、エピローグで霊との付き合い方を述べる。