幽霊の足談義・人吉永国寺の六百年前の幽霊画
どんな伝承か
幽霊には足がないのが通り相場だが、その古い証拠として、熊本県人吉の永国寺に伝わる一幅の幽霊画がある。今から六百年ほど前、足利義持の時代に描かれたとされる絵で、寺では毎年夏に供養のため開帳しているが、描かれた幽霊にはまぎれもなく足がないという。足のない幽霊は江戸時代後期の円山応挙が描き始めたものと思われがちだが、この絵によれば、それよりはるか昔の室町時代から、日本にはすでに足のない幽霊の姿があったことになる、と著者は述べている。
原典より
つまり、江戸後期に円山応挙によってかかれた"足無し幽霊"よりも、はるか以前の室町時代から、既に足の無い幽霊が日本に存在していたのであります。—— お化けと幽霊(大高興・1978年(昭和53年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
お化けと幽霊(大高興・1978年(昭和53年))
『お化けと幽霊』は、大高興が昭和五十三年に青森市の北の街社から出した、お化けと幽霊と心霊現象の解説書である。仮死からの蘇生や霊魂論に始まり、青森県内を中心とする心霊写真の実例、こっくりさんなどの霊界通信法、著者や知人が語る幽霊の体験談、江戸時代の『北越奇談』を著者が現代文に訳した天狗や鎌鼬の話を収める。問答の形でお化けを語る節、幽霊の存否論・分類・人相学、心理学者による心霊現象の否定を経て、巻末に心霊用語の解説を付す。