血で描いた生首が片目を開く
どんな伝承か
数年前の盆のころ、東奥日報が、弘前市の寺に本物の血で描いた生首の掛け軸があり、見る人をぞっとさせていると報じた。所有するのは正伝寺住職の長谷川達温で、もとは、お化けを守る会主幹の蘭繁之が昭和四十九年に京都から求めたものである。自宅の箪笥に入れておくと箪笥が変な音を立て、家族が高熱を出すので、供養してもらおうと知り合いの住職に譲った。ところが掛け軸が来てから正伝寺でも異変が続いた。絵は真っ青な顔に血のにじむ生首で、下に渡辺金三郎と墨書されている。昭和五十一年八月、テレビ放映を見た東京の医師Aが画面を撮ると、金三郎の片目がかっと見開いて写っていた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
お化けと幽霊(大高興・1978年(昭和53年))
『お化けと幽霊』は、大高興が昭和五十三年に青森市の北の街社から出した、お化けと幽霊と心霊現象の解説書である。仮死からの蘇生や霊魂論に始まり、青森県内を中心とする心霊写真の実例、こっくりさんなどの霊界通信法、著者や知人が語る幽霊の体験談、江戸時代の『北越奇談』を著者が現代文に訳した天狗や鎌鼬の話を収める。問答の形でお化けを語る節、幽霊の存否論・分類・人相学、心理学者による心霊現象の否定を経て、巻末に心霊用語の解説を付す。