お化けを描いた扇子と夏の涼
どんな伝承か
先年の夏、弘前市の某デパートが、お化けを描いた扇子を得意先に配ったことがある。これを使えばさぞ涼しいことだろう、と著者は書く。どんな人でも、うだるような暑い夏には涼を求めたくなる。そんなときにぞくぞくするお化けが出て来れば、暑さも一遍に吹き飛んでしまうだろう。お化けは冬にも少しは出るが、ほとんどは夏である。それはなぜかといえば、実はお化けも暑いから出て来るのだという。だからもっとお化けが出やすい環境にしてお化けを守ってやれば、冷房や扇風機がなくても涼しく過ごせるかもしれない。ただし殖えすぎると冬にも沢山出て、くしゃみや風邪ひきが多くなるだろう、と結んでいる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
お化けと幽霊(大高興・1978年(昭和53年))
『お化けと幽霊』は、大高興が昭和五十三年に青森市の北の街社から出した、お化けと幽霊と心霊現象の解説書である。仮死からの蘇生や霊魂論に始まり、青森県内を中心とする心霊写真の実例、こっくりさんなどの霊界通信法、著者や知人が語る幽霊の体験談、江戸時代の『北越奇談』を著者が現代文に訳した天狗や鎌鼬の話を収める。問答の形でお化けを語る節、幽霊の存否論・分類・人相学、心理学者による心霊現象の否定を経て、巻末に心霊用語の解説を付す。