三田氏の浅草観音堂額の遠隔透視
どんな伝承か
透視・念写の実験記録を検討した一文である。二月十二日ごろ、東京から神戸へ書面が送られ、浅草観音堂の裏に掲げられた山岡鉄舟の額の文字を、神戸にいたまま透視してほしいと依頼された。三田氏はこれに応じ、二月十八日に実験を行っている。筆者は、対象が有名な場所の有名人の書である点、依頼から実施まで六日も空いている点を懐疑論者は認めないだろうと指摘し、透視の内容を語る際に誰かが速記した確証がほしいと述べる。それでも小包の中身の透視と念写の能力自体は、この実験で確かに見て取れるとしている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
近代心霊学(平田元吉・1925年(大正14年))
『近代心霊学』は、平田元吉が大正十四年八月付の序を付した心霊研究の入門書で、序によれば旧著『心霊の秘密』の増補版にあたる。精神感応やパイパー夫人の霊媒現象、物理的現象を論じた篇に続き、心霊写真、心霊的彫塑、発光、肢体の有形化、二重身、霊媒に伴う幽霊ケーティ・キングといった物質化の現象を、マムラやハーディ夫人、エウサービア、クルークスらの実験記録で紹介する。巻末に参考書目と、御船千鶴子の透視と長尾郁子の念写を論じた附録を付す。