家に入ってきた火の玉
どんな伝承か
大正の終わりころ、林から三ヶ島へ嫁いできたAさんの実家には、まだ幼い姪がいた。その姪が重い病で、今日か明日かと嫁ぎ先で案じていると、突然窓ガラスがガタガタと鳴り、直径三〇センチほどの大きな火の玉が家の中へ飛び込んできた。驚いたAさんが実家へ駆けつけると、姪はたった今息を引き取ったところだと告げられたという。林出身の大正二年生まれの女性が語った話である。
原典より
この姪御さんが亡くなったとき、いよいよ今日か明日かと嫁ぎ先の家で心配していたら、ガラスが突然ガタガタと鳴り、直径三〇センチメートルぐらいの大きな火の玉が家の中に入ってきたという。—— 所沢市史 民俗編(所沢市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
所沢市史 民俗編(所沢市史)
『所沢市史 民俗編』は、所沢市の市史の民俗編から、第一二章「口頭伝承」の一部を収めたものである。ヘビや天狗・カッパ・雷獣の話に続けて、世間話の「不思議な話」としてカラス鳴き・人魂・死の予兆・夢・木の祟り・生き霊・幽霊騒ぎ・タクシーの幽霊などを、市内の話者からの聞き書きで記す。話ごとに題を立てて同じ題の話を番号で並べ、話者の性別などを添え、ホラ吹きやオトウカドンの話も続ける。