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兇行の前後に姿を見せた能宣の素性

所在地千葉県香取市仁良
年代不明(現代=明治大正期)
登場都倉安五郎、能宣、若松、連続殺人の犯人とされた男、能宣の長兄
出典奇談全集 現代篇

どんな伝承か

犯人と目された能宣は、香取郡八都村仁良の農家に生まれた。父を早く亡くして母の手で育ち、四人兄弟の長兄若松は師範学校を出て小学校の校長をしていた。能宣も高等小学校を出て、大正二年ごろ八木家の婿に入り、神里村内野から妻を迎えて子もできたが、働かずに養家とも妻とも折り合いが悪く、大正三年一月に飛び出した。その後は府馬の酒造家に奉公し、山倉や府馬の家々を渡り歩き、姉の嫁ぎ先にも出入りして土地の事情に通じていた。彼が実家に姿を見せた前後には、必ずどこかで兇行があった。都倉安五郎が殺された夜明けには、雨にずぶ濡れで実家に現れたという。

原典より

たまに彼が姿を見せた前後には何處かに兇域の犯罪が行はれた。—— 奇談全集 現代篇(田中貢太郎・奇談全集) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

奇談全集 現代篇(田中貢太郎・奇談全集)

『奇談全集 現代篇』は、田中貢太郎が幕末から大正にかけての事件や奇談を読み物に仕立てた作品集である。明治十一年に相模の真土村で起きた松木騒動、大正十五年に千葉の久賀村一帯で起きた鬼熊の事件、香取郡の連続殺人、伊賀上野の破獄、京都の天誅などを、記録や関係者の話をもとに描き、松木騒動には筆者が大正六年に現地を訪ねた補遺を付す。播磨屋橋遺聞のように、筆者自身が創作と断る話も含む。

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