姉妹の千里眼
どんな伝承か
三河国岡崎町の松浦勉三郎の娘、姉の菊子と妹の梅子は、父が信仰する同じ町の法華の研究者伊藤小文司に弟子入りしていた。御船千鶴子の評判を聞き、自分たちの修めた神眼通でも透視ができるはずだと考え、二か月ほど前から試みていたという。記者が訪ねた十六日の午後、伊藤の奥座敷で行った一回目では、時計・銀縁眼鏡・象牙の箸と財布を収めた箱を膝に置き、象牙の箸は言い当てたが他は外れ、財布はわずかに当たったとされた。二回目には梅子が新聞紙に包んだ絵葉書二枚の図柄をすぐ答え、無我に入ると身が宙に浮いて人の話し声が下から聞こえると語った。
原典より
實驗中に於ける心理作用の狀態に就て聞くと梅子は微笑して無我の境に入ると瓢然として數尺高き空中に身が浮ぶ様になり、列座せる人の話が幽かに下の方に聞き取れる、…—— 千里眼獨習(神秘術研究會) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
千里眼獨習(神秘術研究會)
『千里眼獨習』は、神秘術研究會が著し、盛報館から出た千里眼の独習書である。密封した書状を読んだ下婢の話やスウェーデンボルグが遠方の火災を知った話、御船千鶴子の透視実験など内外の事例を挙げ、千里眼の理論、催眠術との関係、意志・感情・身体の修養による練習法を説く。例言と内容目次に続く十六項目の本文に、手・爪・顔の部位から人の性質や吉凶を見る付録「人生豫言術」を添える。