御岳山噴火前の動物の異変
どんな伝承か
前年の十月二十八日に起きた御岳山の噴火を、動物たちは察していたのではないかという信濃毎日新聞の記事が紹介されている。噴火口に近い王滝村では、その前から滝越の集落近くに猿やカモシカが頻繁に現れ、村の中心にも季節外れのキジが出た。公民館近くの家ではガレージ下で飼うシマミミズ十万匹が火山活動の前日に一斉に地表へ這い出し、九蔵の民宿では室内のセキセイインコが数日前から籠の中で逆立ちして騒いだ。登山道三合目近くの民宿では、餌付けしていたタヌキ七匹が噴煙の前日に姿を消し、数日後に戻ってきたという。
原典より
王滝村公民館近くの建設業家高征男さん方では、ガレージ下で養殖しているシマミミズ十万匹が、活動をはじめた前日、土の中からはい出してぞろぞろ。—— 佐久町誌 民俗編――俗信(佐久町(編)・佐久町誌) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐久町誌 民俗編――俗信(佐久町(編)・佐久町誌)
『佐久町誌 民俗編――俗信』は、十石峠から横岳に及ぶ佐久町の町誌のうち、町内の俗信を扱った民俗編の一部である。大日向・余地・高野町・上区・花岡など各地区で採集した天候や作柄、火事や死の予兆、夢と縁起、易者や戸隠神社の御籤による占い、厄病よけや雷よけのまじない、死や産にかかわる忌み、ものもらいの民間療法などを記す。予知(予兆)・占いと呪い・物忌み・民間療法の節に分け、項目ごとに地区の言い伝えを地区名とともに並べる。