獅子舞のはなし
どんな伝承か
昔、秩父の山から下りてきた猪や鹿が畑を荒らし、川田谷の百姓は刀や弓ではどうにもならず困っていた。村には猿に似た才郎という子がいて、皆に馬鹿にされていた。才郎は母に弁当を作ってもらい、毎日山へ通った。猪鹿のすみかを見つけたものの手に負えず、松の根元で考え込んでいると、白いひげの老人が現れて采配を授け、消えた。やがて猪鹿を従える獅子の王を知った才郎は、雌獅子を手なずけて花見に連れ出して隠し、残る雄獅子どうしを争わせた。疲れたところへ采配を掲げて躍り出て一頭を退治し、担いで村へ帰った。以後害はやみ、才郎の死後、村人は十月十五日に彼を祭り獅子舞を奉納したという。
原典より
もう大丈夫と思った才郎は、二匹の獅子の真中に采配をあげておどり出ました。—— 桶川市史 第6巻(民俗編)――伝説・昔話(桶川市(編)・桶川市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
桶川市史 第6巻(民俗編)――伝説・昔話(桶川市(編)・桶川市史)
『桶川市史 第6巻(民俗編)――伝説・昔話』は、桶川市の市史のうち民俗を扱う巻で、ここにはその昔話・伝説の部分と第四節「予兆・占い・禁忌・呪い・民間療法」が収められている。昔話・伝説は調査ではほとんど聞かれなかったため、「広報おけがわ」に連載した話を中心に、イットコショダンゴ、古池の大蛇、熊野神社の池の膳椀貸し、狐狸に化かされる話など二十余りを区分せずに載せる。俗信の節は、言い伝えを桶川・加納・川田谷の地区ごとに箇条で並べる。