黒池の亀と祟り
どんな伝承か
黒池龍神は、寛永三年の雨乞いのとき以来、九之坪の平田寺の境内に勧請されて祀られている。山門をくぐってすぐ左手に小さな池があり、もとは東西に長い池だったが、大正元年に名古屋電気鉄道、いまの名鉄犬山線が敷かれたとき西半分が埋め立てられた。池は湧き水で満たされ、亀や鯉がたくさんすんでいた。戦前、子どもたちが亀を捕まえて家へ持ち帰ると、親は祟りを恐れ、亀に酒を飲ませてから池へ放してやったという。
原典より
池には亀や鯉がたくさん棲んでいて、戦前には、子供たちが亀を捕えて家に持ち帰ると、親たちは祟りを畏れ、亀に酒を飲ませて池に放していた。—— 西春町史 民俗編2――霊と神・祈禱・怪異(西春町(編)・西春町史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
西春町史 民俗編2――霊と神・祈禱・怪異(西春町(編)・西春町史)
『西春町史 民俗編2――霊と神・祈禱・怪異』は、西春町の町史の民俗編である。九之坪・岡・沖村・石橋など町内の各ムラに残る御嶽山や塚、堂、小祠、石塔、家の神、祈禱師、祈願と参詣、霊威と祟り、狐や狸の怪異と憑きものを、聞き書きと『徇行記』や村絵図などの記録から記す。霊と神、祈願と参詣、霊威と怪異の三節に続けて、第十二章の伝説の節をムラごとの十八項に分けて並べ、最後の項の五条川の大蛇の目撃談で結ぶ。