石橋の弁天様
どんな伝承か
石橋の円乗寺の門前に、亀の背に乗った弁財天を刻んだ石の柱が立っている。この石柱は、もとは灰取街道の白木橋のすぐ南の田んぼにあった。そのころ、馬に乗ったまま前を通ろうとする武士がいると、馬が急に脚を折って座り込み、一歩も進まなくなったので、武士は降りて歩くほかなかった。白木橋で馬が動かなくなったときも、北のかなたの石橋の弁天様に祈れば、すぐに進めたという。祟りに遭った話やオコリにかかって参った話も伝わるが、土地改良で今の場所へ移り、毎年ムラで供え物や祈禱をするようになってからは、祟りの話は聞かれなくなった。
原典より
そのころ、馬に乗った武士が弁天様の前を通ろうとすると、突然、馬が脚を折り曲げて坐りこみ、動こうとしない。—— 西春町史 民俗編2――霊と神・祈禱・怪異(西春町(編)・西春町史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
西春町史 民俗編2――霊と神・祈禱・怪異(西春町(編)・西春町史)
『西春町史 民俗編2――霊と神・祈禱・怪異』は、西春町の町史の民俗編である。九之坪・岡・沖村・石橋など町内の各ムラに残る御嶽山や塚、堂、小祠、石塔、家の神、祈禱師、祈願と参詣、霊威と祟り、狐や狸の怪異と憑きものを、聞き書きと『徇行記』や村絵図などの記録から記す。霊と神、祈願と参詣、霊威と怪異の三節に続けて、第十二章の伝説の節をムラごとの十八項に分けて並べ、最後の項の五条川の大蛇の目撃談で結ぶ。