樋堀のムジナに化かされた若い衆
どんな伝承か
上種足の小沼を流れる小川は樋堀と呼ばれ、夏には蛍が飛び交い、夜の景色の美しい所だった。大正の半ばごろまでは、ここにムジナが住みついていて、夜な夜な化かされる人が出たという。ある晩、一人の若者が、美しい女に案内されるまま一晩じゅう歩き回り、くたくたに疲れて道ばたで眠り込んでしまった。通りかかった人に揺り起こされて、ようやく我に返ったという。
原典より
ある晩のこと、一人の若い衆が美女に案内されるまま一晩中歩きとおし、へとへとにつかれて道ばたに寝込んでしまい、通行人におこされて気がついたということです。—— 騎西町史 民俗編――伝説・昔話・妖怪(騎西町(編)・騎西町史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
騎西町史 民俗編――伝説・昔話・妖怪(騎西町(編)・騎西町史)
『騎西町史 民俗編――伝説・昔話・妖怪』は、騎西町が編んだ町史民俗編のうち、方言一覧の末尾と第9章「伝説・昔話」を収めたものである。調査協力委員や地域の老人クラブを通じて集めた二十八話で、久伊豆明神(玉敷神社)の獅子、雷電社の雨乞い、和尚の説話、いぼとり地蔵、入定塚、念仏橋、狐やムジナに化かされた話などを、話者名や郷土誌の出典を添えて載せる。章のはじめに伝説と昔話の違いを述べ、神社・寺堂・塚と橋・行事のいわれ・妖怪談の五節に分ける。