江袋村の流行病を鎮めたお獅子さま
どんな伝承か
慶応四年六月、幡羅郡江袋村で流行病が広がった。腹を下す者や高い熱に苦しむ者が村じゅうに出て、亡くなる者も多く、手の打ちようがなかった。もはや神仏の力にすがるほかないと村役たちが話し合い、霊験の高さで各地に知られた騎西の玉敷神社の御神宝、お獅子さまを迎えることに決め、願主の代表が歩いて借り受けに出向いた。お獅子さまで家を一軒ずつ祓って回ると、数百人の病人が、雲や霧が晴れるように治ったという。これ以来、村では講を組み、毎年六月二十四日にお獅子さまを迎えるようになった。
原典より
村ではお獅子さまをお迎えして一軒一軒はらってまわったところ、数百人の病人が雲や霧が晴れるように全快いたしました。—— 騎西町史 民俗編――伝説・昔話・妖怪(騎西町(編)・騎西町史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
騎西町史 民俗編――伝説・昔話・妖怪(騎西町(編)・騎西町史)
『騎西町史 民俗編――伝説・昔話・妖怪』は、騎西町が編んだ町史民俗編のうち、方言一覧の末尾と第9章「伝説・昔話」を収めたものである。調査協力委員や地域の老人クラブを通じて集めた二十八話で、久伊豆明神(玉敷神社)の獅子、雷電社の雨乞い、和尚の説話、いぼとり地蔵、入定塚、念仏橋、狐やムジナに化かされた話などを、話者名や郷土誌の出典を添えて載せる。章のはじめに伝説と昔話の違いを述べ、神社・寺堂・塚と橋・行事のいわれ・妖怪談の五節に分ける。