門前の松に掛かった父の首
どんな伝承か
沼津市井出の大泉寺の門前に、高さ七十尺余りの大きな松があった。この寺の開祖阿野全成は義朝の六男で、幼名を今若丸といい、建仁二年に北条氏の手で下野へ移されて殺された。その子の時元は阿野冠者と称してこの地にいたが、ある日、門前の松に首が掛かっているのを見て取り下ろすと、父の首であったという。厚く葬り、以来この松を首掛松と呼ぶようになった。鎌倉ではねられた首が飛んできて掛かったとも伝えられる。
原典より
井出の大泉寺門前の高さ七十尺餘の大松をいふ。—— 日本伝説名彙(柳田国男・日本放送協会・昭和25年刊) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙(柳田国男・日本放送協会・昭和25年刊)
柳田国男・日本放送協会編『日本伝説名彙』を全650話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。