折り畳んだ紙片の文字透視
どんな伝承か
御船千鶴子の透視能力が明らかになるにつれ、義兄・清原猛雄は多くの実験を重ねた。その一つに、半紙を半分に切った三枚の紙片へそれぞれ文句を書き、折り畳んで状袋に入れて透視させる試みがあった。一枚には「新式療法完成せば天下万民の幸福なり」、一枚には「精神一到何事不成」、残る一枚には清原が忘れた文句が書かれていた。千鶴子に透視させると、三枚のうち第一・第二の文句は完全に的中し、第三の句は意味だけが的中した。折り畳んであっても、彼女の透視には畳まざる紙に文字があるように見えたという。福来友吉はこの不思議な能力を知り、単独あるいは京都大学の今村博士と共同で七十余回の実験を行った。
原典より
清原氏は半紙を半分に切りたる三枚の紙片を取り出し、一枚には「新式療法完成せば天下萬民の幸福なり」こ二行に書き。—— 観念は生物なり(福来友吉・心霊・念写研究) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
観念は生物なり(福来友吉・心霊・念写研究)
『観念は生物なり』は、福来友吉が諸雑誌に発表した論文を集めた心理学と心霊研究の論集で、日本心霊学会刊、序は大正十四年春に箕面山の麓で記されている。観念と身体の関係、夢、潜在精神と病気、プランセット(自動書記)、狐憑病の伝染や尼寺のヒステリー、宮本武蔵の剣道などを論じる。明治四十三年以来接した御船千鶴子・長尾郁子・三田光一ら八人の通力者の透視と念写の実験も報告し、「観念と身体との関係」から「生命学と心霊研究」までの十四篇を収める。