三歳の妹にも見えた父の迎え
どんな伝承か
埼玉県新座市の小野寺千寿子さんが、三十四年前の父の最期を伝えた。死の間際、父は、いまとてもきれいな花畑が見える、川があって舟が待っている、身内の誰それが迎えに来ていると語った。病室には母と三歳の妹しかいなかったが、そのとき妹が、知らないおばさんが来て座っている、怖いと泣き出した。母には何も見えなかったが、父はそうだ、いま迎えに来ているのだと応じたという。その知らない人は父の身内だった。以来、小野寺さんは死後の世界は花の咲くきれいな場所だと信じている。本人以外にも姿が見えた点で、著者はその解釈に頭を悩ませている。
原典より
病室には三歳の妹と母だけだったのですが、そのときに、妹が、『知らないおばさんが来て座っているよ、恐いよ、恐いよ』と泣き出したそうです。—— 臨死体験(立花隆)(立花隆・臨死体験・ノンフィクション) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
臨死体験(立花隆)(立花隆・臨死体験・ノンフィクション)
『臨死体験(立花隆)』は、立花隆が著したノンフィクションである。一九九一年三月放送のNHKスペシャルのための取材を出発点に、日本と欧米の体験者の証言、キュブラー・ロスやムーディら研究者への聞き取り、「文藝春秋」連載中に寄せられた体験談を収める。体外離脱、光の体験、文化による体験の差、感覚遮断や脳の仕組みを章ごとに論じ、末尾で現実体験説と脳内現象説を比べたうえで、著者は基本的に脳内現象説に立つと述べる。