夢枕の弘法大師が授けた耳薬ゴムソウ
どんな伝承か
波志江の八坂にある小倉家には、ゴムソウ(御夢想)という家伝の薬が伝わり、かつては耳の病によく効く薬として人に分けていた。昔、小倉家の屋敷のあたりに耳の病に苦しむ老婆が住んでいて、オビンズル様を篤く信じていた。ある夜、老婆の夢に弘法大師が現れ、オビンズル様の幣束をちぎって振ると出る粉をつければ耳が治ると教えた。お告げのとおりにすると、病はたちまち癒えた。以来その粉はゴムソウと呼ばれて耳薬として広まり、これを受ける者は生臭物と入浴を慎まねばならなかったという。
原典より
ある夜、老婆の夢枕に弘法大師が現れ、オビンズル様の幣束をちぎって振って出る粉を使えば耳病が治ると告げた。—— 伊勢崎市史 民俗編――俗信と伝説(伊勢崎市(編)・伊勢崎市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
伊勢崎市史 民俗編――俗信と伝説(伊勢崎市(編)・伊勢崎市史)
『伊勢崎市史 民俗編――俗信と伝説』は、伊勢崎市が編んだ市史民俗編のうち、俗信と伝説・昔話の節の抜粋である。オサキや水死体を知らせる鶏などの俗信と、赤城と日光の神戦、赤堀道玄の娘の入水、『神道集』の宮子の龍宮、義経や鎌倉権五郎にまつわる伝説を、『伊勢崎風土記』などの記録や土地の語りを引いて記す。伝説を赤城山・『神道集』・義経・権五郎・寺社・入定・城などの七類に分けて述べ、十二支由来などの昔話を続ける。