山犬様の穴に落ちた子
どんな伝承か
山犬様は十二様の使いだとされる。榛名山の奥に山犬様が巣を作って子を育てていたので、人々はこわ飯やごちそうを持って行き、そこへ置いて来た。ある日、女衆が子を背負って出かけ、山犬様の穴をのぞき込んだところ、はずみで背中の子が穴の中へ転げ落ちてしまった。どうにもできずに家へ戻ると、その夜、子の泣く声がする。外へ出てみると、その子がちゃんと帰って来ていたという。
原典より
ある日、女衆が子どもをおぶって行き、山犬様の穴をのぞいたら、その拍子に背中の子が転がりこんでしまった。—— 倉渕村の民俗(群馬県民俗調査報告書 第18集)(群馬県民俗調査報告書) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
倉渕村の民俗(群馬県民俗調査報告書 第18集)(群馬県民俗調査報告書)
『倉渕村の民俗(群馬県民俗調査報告書 第18集)』は、群馬県の民俗調査報告書のうち倉渕村の巻の一部で、章の途中から始まり、地蔵信仰の条の途中で切れている。十二様や便所の神への安産の願い、道祖神、口寄せのアガタ、オサキ使い、山犬様、狐火・光り物・火の柱・人魂の怪異、三隣亡やお百度の俗信を、聞き取った地区の名を添えて記す。続く「四、仏教民俗」では明治十二年の「寺院明細帳」による村内寺院の表を掲げ、観音・薬師・地蔵の信仰を述べる。