そば畑を大川と見誤った追手と刀地蔵丸
どんな伝承か
小手指ヶ原の戦いで敗れた二階堂氏は、敵に追われて逃げてきた。追手は月明かりの下でそば畑を大きな川と取り違え、追うのをあきらめて引き返した。二階堂氏は亀久保で一夜を過ごして英気を養い、地蔵堂に納められていた地蔵丸という刀を授かった。翌日、北条氏との戦で大勝して鎌倉まで攻め上り、その祈願寺として地蔵院を建てたという。そのため今も二階堂氏とのつながりが語られ、その家紋は亀甲紋だと伝わる。
原典より
追って来た敵は月夜にそば畑を見て、大川だと見誤り退いた。—— 大井町史 民俗編 より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
大井町史 民俗編
『大井町史 民俗編』は、大井町の町史民俗編のうち、第一節「伝説」を収めたものである。大井・亀久保・鶴ヶ岡・苗間などに伝わる地名の由来、力石や怪力男の話、大井弁天、織部塚、地蔵や薬師の縁起などを、『新編武蔵風土記稿』『大井村郷土史』『麦笛』『埼玉県伝説集成』などの文献と、土地の話者からの聞き書きによって記す。伝説の特徴を述べたのち、村・石・水・塚・祠堂・その他の部に分けて各話を並べ、話ごとに出典の書名か話者の名を添える。