摺鉢淵から上る竜燈
どんな伝承か
上大田和の西浦口を流れる芋ノ葉川には、摺鉢淵と呼ばれる深い淵がある。底は鉢の形をして深く、水面はいつも渦を巻き、竜宮まで通じているという。そばの観音堂の前には、周りが一丈を超える雌松が立っていた。観音の縁日は旧暦六月の十七日と十八日で、十七日の夜には決まって竜燈が上がり、堂の前の松の上に止まったと伝わる。それを見た村人がいるともいう。
原典より
その縁日の十七日の夜には必ず竜燈が上って堂前の松の上に止まったそうだ。—— 真岡市史 第5巻(民俗編)――伝説・昔話(真岡市(編)・真岡市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
真岡市史 第5巻(民俗編)――伝説・昔話(真岡市(編)・真岡市史)
『真岡市史 第5巻(民俗編)――伝説・昔話』は、栃木県真岡市の市史民俗編から、第十四章「口頭伝承」の第一節「伝説・昔話」を収めたものである。大だら法師の足跡、釜淵の燈籠、大前堰の人柱、へび娘など、五行川・鬼怒川・小貝川の淵や沼、社寺にまつわる伝説と、タヌキやキツネに化かされた話を、既刊の民話集・伝説集と新たな採話から集める。冒頭に口頭伝承の参考文献を掲げ、各話の末尾に典拠を記し、結びの「まとめ」で話を河川・社寺・沼・動物の別に整理する。