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一夜で塚を築いた太郎左衛門

所在地栃木県真岡市飯貝
年代徳川
登場武田太郎左衛門、語り手、伝承者、境争いで塚を築いた豪力の男
出典真岡市史 第5巻(民俗編)――伝説・昔話

どんな伝承か

江戸幕府が開かれて間もないころ、東飯貝村に武田太郎左衛門という大力の男がいた。飯貝と芳賀町の東高橋、経塚の境をめぐって争いが起こり、代官の検分で決めることになった。太郎左衛門は三晩ひそかに熊野権現へ祈り、検分の前夜、ひと晩で塚を築いて炭を埋め、相手の言い分の塚は崩して砂利をまいた。検分は飯貝の主張どおりに決まり、今の境になったという。人々は権現の御利益と考えたが、太郎左衛門はのちに東高橋の者に狙われて境のねぎ畑で殺され、武田家では今も畑にねぎを作らないという。

原典より

太郎左衛門は夜ひそかに熊野権現に通って祈願をこうむること三夜、御見分の前夜、一夜の間に塚を築き中に炭を埋め、主張以南の塚は皆くずして砂利を一面に散らし置いた。—— 真岡市史 第5巻(民俗編)――伝説・昔話(真岡市(編)・真岡市史) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

真岡市史 第5巻(民俗編)――伝説・昔話(真岡市(編)・真岡市史)

『真岡市史 第5巻(民俗編)――伝説・昔話』は、栃木県真岡市の市史民俗編から、第十四章「口頭伝承」の第一節「伝説・昔話」を収めたものである。大だら法師の足跡、釜淵の燈籠、大前堰の人柱、へび娘など、五行川・鬼怒川・小貝川の淵や沼、社寺にまつわる伝説と、タヌキやキツネに化かされた話を、既刊の民話集・伝説集と新たな採話から集める。冒頭に口頭伝承の参考文献を掲げ、各話の末尾に典拠を記し、結びの「まとめ」で話を河川・社寺・沼・動物の別に整理する。

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