狐憑きと狐の穴
どんな伝承か
一高の下のプールのへりに昔の六尺道があり、赤土の崖に狐の穴があった。子を産んだ狐がせっせと出入りしていたが、ある人が穴の前に竹の柵を結い、親狐が戻れないようにした。するとその人の妻が狐憑きになり、訳のわからないことを口走ったり急に泣き出したりした。狐憑きは医者では治らず狼に頼むほかないと言われ、身内五、六人が取手の渡しで利根川を越え、旅装束で三峯まで歩いて神主から狼を授かった。帰りの舟を降りたとたん水しぶきがかかり、狼がついて来たとわかった。家に連れ帰って一晩たつと、裏庭に犬の赤子のようなイズナギジンが落ちていたという。
原典より
それで、そのやらいを結った人にそのおくさん母ちゃんが狐づき、狐づきになっちゃった。—— 竜ケ崎市史民俗調査報告書4(竜ケ崎地区)――伝説・世間話(龍ケ崎市(編)・竜ケ崎市史民俗調査報告書) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
竜ケ崎市史民俗調査報告書4(竜ケ崎地区)――伝説・世間話(龍ケ崎市(編)・竜ケ崎市史民俗調査報告書)
『竜ケ崎市史民俗調査報告書4(竜ケ崎地区)――伝説・世間話』は、竜ケ崎市史の民俗調査報告書のうち、第七章「口承文芸」の伝説・世間話を収めたものである。竜ケ崎地区で聞き取った狐のお産や狐に化かされた話、狐憑き、幽霊屋敷、生まれかわり、家の主の蛇、龍ヶ崎の大火、首吊り榎、神木のたたり、源頼政の旧跡、鏡田などを、話し手の口調のまま載せる。話の末尾には多く話者の町名と性別を記し、生年か採録日を添える。昔話の一部には「大成」の話型名を付す。