子供をさらう髪の長い河童
どんな伝承か
六十年ほど前の出来事である。海で泳いでいた子供たちが流され、ドンブラと呼ばれる深みにはまってしまった。助かったのは一人だけで、ほかの四人は溺れ死んだ。そのとき陸にいた人は、髪を長く伸ばし乳房をあらわにした河童が、子供たちを連れ去っていくのを見たという。この土地では、お盆に海へ入ると河童に引き込まれるとされ、その時期に海へ入ることは戒められている。
原典より
その時、陸にいた人が、髪の毛を長くしてオッパイを出した河童が、子供たちをさらっていくのを見たという。—— 逗子市史 別編1 民俗編――伝説(逗子市(編)・逗子市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
逗子市史 別編1 民俗編――伝説(逗子市(編)・逗子市史)
『逗子市史 別編1 民俗編――伝説』は、逗子市の市史のうち、別編第一巻の民俗編にあたる巻の一部である。池子・沼間・桜山・小坪・久木・山の根など市内の土地に伝わる伝説を収め、和泉から来た一行が金を埋めたという金山権現、行基の十一面観音と大蛇、六代御前の墓、為朝の矢の根井戸、頼朝と新箸の宮、河童松、お夏狐などの話を記す。伝説の章の末に河童や狐、庚申の夜の短い話を添え、続く方言・訛語の章では逗子の語彙を五十音順に並べる。