戦場で守った白狐
どんな伝承か
取手のある家では屋敷にお稲荷さんを祀っている。昔、天狗党の者が逃げてきてこの稲荷に隠れて助かり、礼に社を建ててくれたのだという。家の主人が支那事変で出征した折、腕時計をかすめた弾が隣の兵を即死させたときにも、背後からの弾が心臓の手前で止まったときにも、白いものがちらりと見えたと手紙に書いてきた。白狐が戦地まで守ってくれたので粗末にするなという。祖父が病で小便が出なくなったときも白いものが足から入ってきて治り、夜泣きの子も三日参れば治るといわれる。
原典より
その時もやっぱりチラッと白いのを見せたって書いてましたよね。—— 取手市史 民俗編2――将門伝説・怪異(取手市(編)・取手市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
取手市史 民俗編2――将門伝説・怪異(取手市(編)・取手市史)
『取手市史 民俗編2――将門伝説・怪異』は、取手市の市史民俗編のうち、俗信の箇条の末尾に続く第四節「伝説」・第五節「不思議な話」・第六節「祟り」を収めた部分である。市内各地区での聞き取りを話し言葉のまま書き起こし、長い四話は『取手町郷土史資料集 第一集』から抜粋する。将門と桔梗御前の伝説、地蔵・社寺・樹木の伝説、狐やムジナ・化け猫・幽霊・タマセの話に続き、忌田や祟り山の話を所有者名と地区を伏せて載せる。