偽の汽笛を鳴らすムジナ
どんな伝承か
鍵屋の主は船の曳き船をして、ここから運河まで行き来していた。あるとき、帰る時間になっても戻らないので家の者が心配していると、ボーボーと汽笛の音が鳴った。『ほら、父ちゃんが来たぞ、戸を開けろ』と言って開けてみても、何もいない。帰りは蒸気船の通運丸で戻ると聞いていたので、その汽笛だと思ったのである。あれはムジナのいたずらだったのだと語られている。
原典より
『ほら、ちゃんが来たど戸開けろ』って、開けてみっと何もいないんだって。—— 取手市史 民俗編2――将門伝説・怪異(取手市(編)・取手市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
取手市史 民俗編2――将門伝説・怪異(取手市(編)・取手市史)
『取手市史 民俗編2――将門伝説・怪異』は、取手市の市史民俗編のうち、俗信の箇条の末尾に続く第四節「伝説」・第五節「不思議な話」・第六節「祟り」を収めた部分である。市内各地区での聞き取りを話し言葉のまま書き起こし、長い四話は『取手町郷土史資料集 第一集』から抜粋する。将門と桔梗御前の伝説、地蔵・社寺・樹木の伝説、狐やムジナ・化け猫・幽霊・タマセの話に続き、忌田や祟り山の話を所有者名と地区を伏せて載せる。